次の日の朝、私は窓の外をずっと眺めていた。日が昇り、空は青く澄み渡っている。
だからこそ、昨日のクリスの言葉が耳から離れなかった。
『この街では雲しか見えないよ。ずっと雨が降ってるんだ。一年中止まないんだって』
『そっか……雨は知らないんだ』
その時クリスが浮かべた表情を、私はずっと忘れないだろう。悲しい、遠くを見るよ
うな目だった。その瞳が、唐突にあの日のクリスの瞳と重なる。
私の身体を雨から守るように、クリスは私を抱きしめ、何度もその名前を呼んでいた。
冷たい雨を、その身体で受け止めて……。
それは、無意識の贖罪だったのかもしれない。
私は、クリスがそうしてくれたように、その全てを受け入れた。
そして、クリスは私に言ったんだ。
――改めて、よろしく、って。
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